前回の「トイ・ストーリーの結婚式オープニングムービーをiMovieで自作する〜その2」では、
・ダウンロードした動画を取り込む
・ディズニーのオープニングロゴを消す
・ディズニーっぽいフォントのロゴを挿入する
という作業をしてきました。ここまででだいたい4分の1くらいの作業だと思います。ここからは、地味な作業とテクニックがいる作業の2つの大変な作業になっていきます。
1.「Art text2 Light」で合成用のロゴを作る
※2018追記「Art text Light」の無料公開がなくなってしまったようです。今は有料の「Art Text 3 - Belight Software, ltd」しかないようですので、下に別のロゴの作成方法を書いておきます。
ここから結構面倒な作業に入りますので、覚悟してください。まずは、合成用のロゴを作成します。ここは適当で良いという人は飛ばしてくれて結構です。ぼくは、なんとなく手を抜けなくて、細かいところにこだわってしまいました。合成用のロゴとは動画の一番最後にバズが出すロゴです。
最初は、完全にトイ・ストーリーっぽく黄色と青のロゴを作りましたが、合成のときにうまくいかなくて、時間がなくなってしまい、泣く泣く紫の文字に青枠のロゴにしました。こちらのロゴを作成するのにはソフトを使いました。
・Art text2 Light
こちらのMac用のアプリを使うと簡単にロゴを作ることができます。まずは、アプリを起動します。そして、新規を選んでロゴを作り始めます。
まずは、レイヤーを追加して背景を黒くします。画面の左下にレイヤーが出てくるのでロゴと背景の順番を入れ替えてロゴを上に表示させます。ロゴのフォントは「Arial Black」というフォントを使っています。サイズは「24」で、右のサイドバーで「標準カラー」を選んで、色を「青」、そしてサイドバーの下へ行って「ストローク」の幅を最大にして色を白にしています。これで、「ファイル」「書き出す」で完成です。別の色でも良いのですが、このあとにする合成の関係で黄色がうまく表示出来なかったので、青と白にしています。トイ・ストーリーというよりちょっとモンスターズ・インクっぽいロゴになってしまいましたが、勘弁してください。
次に、ロゴの背景の切り抜きをします。「Art Text2 Light」でもできるかもしれないのですが、ちょっとやり方が分からなかったので、普通にMacに最初から入っている「プレビュー」で行います。
まずは、先ほど作成したロゴを「プレビュー」で開きます。次に、プレビューで開くと出てくる左上の魔法のステッキのようなアイコンをクリックして出てくる「インスタントアルファ」というツールを選択します。
そのツールで背景の黒い部分をクリックすると、背景の黒い部分が点線で囲まれます。
そうしたら「編集」→「カット」で背景を切り取ります。すると画像を「jpeg」で保存していた場合は「PNG」で変換して保存するようにメッセージが出てくるので、「PNGとして複製」をクリックして終了です。これでロゴが完成しました。
追記:別のロゴ作成方法
新しく調べましたが、こちらの「Font memo」というサイトがとても便利!
こちらのサイトの中にトイ・ストーリー風のロゴが簡単にできるシステムが入っていました。
ページの下の方にある入力欄に必要事項を入力するだけで簡単にトイ・ストーリー風のロゴができるので、めちゃくちゃ便利!!
作りたい文字、フォントサイズを変えて「作成」ボタンを押せば簡単にトイ・ストーリー風のロゴが出来上がります。
完成したロゴを保存すれば完了。
ロゴは「png」形式で保存され、背景もないのでそのまま使えます。
2.Keynoteで合成用の動画を作る
ここから先は少しKeynoteでの作業になります。KeynoteはMac版のPowerPointのようなプレゼンソフトで、簡単にカッコ良いスライドショーや動画を作ることができます。
ここでは、その機能を活かして、合成用の動画を作ります。まず、どんな動画を作るかというと、オープニングムービーの最後の部分の加工をするための動画です。
どういうことかというと、ダウンロードしたままの動画だとこんな感じの文字や、
こんな感じの3Dのロゴが出てきてしまって結婚式のオープニングっぽくないですよね。
ですので、ここでKeynoteを使ってロゴを消すために合成する動画を作成します。
ちょっとスピードが早いですが、イメージはこんな感じ。
まずは、Keynoteを開いてテーマを「白紙」にして作り始めます。
テーマを選ぶときに右下に「スライドのサイズ」があるので、iMovieで作っている画面の比に合わせてください。16:9なら1920:1080で縦横比が合います。こちらも最初にちゃんとしておかないと、あとでサイズ変えようとすると面倒です。
最初にどうやって合成するかを説明します。
iMovieにはブルーとグリーンの色を透過させる機能があります。つまり、iMovieの動画の上に別の動画を重ねてもブルーかグリーンの色だったら透明な色と認識して透過させてくれるのです。
映画のテクニックでブルーのスクリーンの前で飛ぶ演技して、それを別撮りした空の背景に合わせると飛んでるような映像が作れるあれです。
イメージはこんな感じです。
まずは、Keynoteの背景を「R.G.B=0.255.0」の緑にします。背景という設定はなかったので、大きな緑の四角を作って背景全面に配置しました。
そして、最初に「JUNE.18 2010」が消えるような位置に黒い四角を配置します。
ここまでが最初の準備です。
黒い部分の高さをどこまでにしたら良いかと悩むと思いますが、このあたりは感覚でやるしかないのでとりあえず、最初は適当に作ってあとで調整します。
次に、上に表示する名前をいれます。
例えば太郎と花子の結婚だったら「Taro & Hanako」のような感じで入れると良いと思います。
ちなみに、グリーンスクリーンを後で使うので、ここでの文字に緑色を使ってしまうと透けてしまいます。いろいろと調整して、トイ・ストーリーのおもちゃっぽい雰囲気を出すには「赤」「青」「水色」「紫」くらいが丁度よかったです。
フォントは「ヒラギノ丸ゴ pro」あたりが丸みがあってかわいいと思います。
これを、だいたい7つくらいのテキストボックスに分けて、高さをバラバラにして配置します。
例えば先ほどの「Taro & Hanako」なら「Ta」「ro」「&」「Ha」「na」「k」「o」のような感じで7つのテキストボックスに分けて配置します。
これを、すべて選択してKeynoteの右上にある「アニメーション」をクリックして「イン」を選びます。
「イン」の後に「エフェクトを追加」をクリックします。
エフェクトはシンプルな「出現」にしてください。その方が雰囲気が合うと思います。
そして、順番を調整します。
先ほどテキストボックスをだいたい7個くらいつくると言ったのは、動画でウッディが上に文字を表示するときに「タッタタッタタッタタ」と7回くらいの音が聞こえたのでそれに合わせるためです。
ここまで来たらあと少しです。
最後に先ほど作った「Sept.20 2020」というロゴと下の3分の2を覆う黒い四角を同じように出現させます。
これは、動画の最後のバズが文字を出現させるタイミングと合わせて出現さて、下の黒い部分はその後に出てくる「3D」のロゴを消すためです。
あまり早く下に黒い四角を出現させると、バズやウッディが見えなくなってしまうので、この「Sept.20 2020」のロゴを出現させるタイミングと一緒で大丈夫です。
ここまで作ったら「再生」→「スライドショーを記録」でスライドショーのタイミングを記録します。
そして、良さそうなタイミングでスライドショーを記録出来たら、次は「書き出し」で動画として書き出します。そして、動画が書き出せたらいよいよ最後の調整です。
一通り説明しましたが、一応作成したキーノートのファイルを置いておきます。
こちらを使えば、名前と日付のロゴを入れ替えるだけなので、簡単だと思います。
3.Keynoteで作った動画をiMovieに合成する
Keynoteで作った動画をiMovieに合成します。最初に読み込んだときと同じように「ファイル」→「メディアを読み込む」という段取りでKeynoteで作った動画を読み込んでいきます。
そして、取り込んだキーノートで作った動画をバズとウッディがいる黒い画面の上にドラッグ・アンド・ドロップで持ってきます。
しかし、このままだと緑色の部分が邪魔してしまっているので、緑を消します。
右上にある四角のアイコンをクリックして、その後、四角の左下にあるタブをクリックするとその中に「グリーン/ブルースクリーン」があるのでそちらをクリック。
そうすると、先程まで邪魔だった緑色の部分が透明になるので、緑色の画面の下にいたウッディとバズが見えるようになります。
これでキーノートで作った動画がタイミング完璧だったら、そこで完成ですが今回作った動画のタイミングが悪かったので修正しました。
キーノートで作った動画を一度右下に移動して3つに分割します。
1.ウッディが名前を上に投げるシーン
2.名前が上に並んでいるシーン
3.最後に日付のロゴが登場するシーン
3つに分けた動画の「2」をコピペして2つにすることで長さを調節しました。
ウッディが投げるタイミングが合わない場合は「1」の部分をちょっとスローにしたりして調整することもできます。
キーノートでもう一度タイミングを合わせて動画を作り直しても良かったのですが、こちらのほうが簡単だったため、imovie上で編集しました。
そうやってうまく表示するタイミングを合わせていきます。
さあ、あと少しです!!
4.字幕を挿入する
最後に字幕を挿入します。
これが一番楽しい作業です。
普通のフォントを使っても良いですが、個人的におすすめなのが、「しねきゃぷしょん」というフォントで古い映画の字幕のような雰囲気のフォントです。
こちらでダウンロードできます。
左上の「タイトル」をクリックして「下3分の1」を選びます。
そして、「フォント」から「しねきゃぷしょん」を選んで、文字の影や枠などを調整します。
後は英語の会話に合わせて適当に日本語の字幕を入れていきます。
他の人の作った内容を真似すると早く作れます。ポイントポイントだけ名前を変えたりしていけばなかなか良い出来になると思います。
苦労したのが、字幕が早くなりすぎることです。
やはり早すぎると読めないようで、ちゃんと字幕を理解して読んでくれていなかった人もいました。
なるべく読めるように字幕の表示時間を調整して、一度誰かに確認してもらったください。初見で読めないと意味がないですので。
まとめ
以上で、トイ・ストーリー風のオープニングムービーの作り方の解説を終わります。
質問などありましたら、コメントにでも書いていただければ、時間がかかるかもしれないですが、確認して返答いたします。
追記 「TOY STORY3」のロゴを消したい
これで完成したのですが、どうにも気になるのが「TOY STORY3」のロゴ。
この「TOY STORY」のところを「LOVE STORY」などに変更している方もいますが、あれは3DCGで作成しているようです。
今回紹介したのは比較的素材集めも簡単な2Dでの方法で、動画作成が初めての方でも作れるレベルだと思いますが、あれはちょっと難しそう、、、